朝起きるとたいがいの人は鏡を見ます。肌の調子、きょうはどうだろうか、寝不足気味だけれど……などと、鏡の中をのぞき込んだ覚えはだれにぞもあるでしょう。昔から睡眠不足は美容の敵、とは繰り返し言われてきたことぞす。でも、どうして睡眠不足が肌にいけないのぞしょうか。皮膚は常に新陳代謝を繰り返しています。皮膚細胞は基底層で作られてから、有棘層、顆粒層、透明層、角質層へと性質を変えながら十四日かけて上がっていき、十四日そこに留まってからアカとしてはがれ落ちていくのです。それをターンオーバーといいます。それと同じように一日の間でも皮膚は新陳代謝を繰り返しています。昼には老廃物を盛んに出し、夜は明日の活動にそなえて栄養を補給します。人が眠っている間も、皮膚は働き続けます。それに関係するのは自律神経で、これには昼間主に働く交感神経と、夜主に働く副交感神経があります。副交感神経は、胃腸の働きを活発にし、毛細血管を広げて血液の循環を高めます。これで体のすみずみまで栄養を送り届けているのです。当然肌にも寝ている間に栄養が届けられることになります。一日のうちで新陳代謝が活発に行われるのは、夜十時から二時ごろまで、この間に充分睡眠を取っているかどうかが、翌日の肌の調子に大きく影響を与えることになります。ぐっすり眠ることでみずみずしい肌を保つことができるのです。